続 色即是空的こころ➓

Teaさんへ《「無の瞑想」からの応用編》について・・以前に、再「無の瞑想」のなかで、善いクセをつくるには非・再プログラミングが大切だ・・といったお話をしました。

そこでの大事なポイントは、無の瞑想に入る前に「慈悲・愛のエネルギー」で色付けされたフレーズを黙念でもって、‟意識的”にそれを脳にインプットする・刻み込むのがイイですよ・・ということでしたね。

つまり、「慈悲・愛のエネルギー」によって再プログラミングして「慈悲(愛)の心」を作っていくということが大切になるわけですからね。まずは瞑想のなかで意識を使ってのプログラミング・・脳みそに上書きですね・・しばらく経ちましたので、今度はそれを日常の中で意識的に使っていくということになるわけなんですね。

まぁ、「無の瞑想」や「官能瞑想」の中である程度意識の使い方にも慣れて、慈悲・愛のエネルギーが貯まってくると、瞑想の中で訓練したモノを今度は日常のなかでそれを応用していく・・といった段階になるわけです。

あらゆる場面で「慈悲・愛のエネルギー」を意識的に出していく・・そして、慈悲・愛と意識の結びつきを強力に一体化させた脳みその神経回路=善いクセを作っていく・・応用と実践にポイントを置いた中級編といった処でしょうか(笑)。そういった『慈悲・愛と意識のコラボ』を使ったノウハウを昔‟ヘビ”が仏陀に色々教えたんですが、この名残りが仏教にも残っているんですね。

そこで‟隨念・ずいねん”といった方法なんですが、ここで行なう隨念をあえて「愛の隨念」と名付けて、これを日常の中で実践してみましょう・・ということなんです。内容としてはいたってシンプルで、「慈悲・愛のエネルギー」を意識的に他の人に向けていく・・身内や親しい人ではなく、見知らぬ他人に振り向けていきましょう・・といったことなんですね。

やり方として、まずは自分で気に入った慈悲・愛のフレーズを選ぶわけです。フレーズはなるべくシンプルに、ゴチャゴチャと色んな言葉を使わずに・・例えば、自分でしっくりくるなら『あなたを愛しています・・』といったものでもイイんですが、ここでは自分でも日常で使って馴染んでいる『‟すべての人々が”幸福であるように、苦しまないように、悩まないように・・』といった南方仏教でも用いられるような「慈悲のフレーズ」を使うことにしますね。

そして、脳ミソにインプットしたそのフレーズを日常のなかで、仕事中にあるいはどこかに出かけた時にでもいイイんですが、そこで出会うヒトに対して言う「声を出さないで、心のなかで言う(黙念)」そして、その愛のフレーズを意識的に相手に振り向けるというわけです。

そのとき出会った相手が一人の場合は、例の「慈悲・愛のフレーズ」の中に在る『‟すべての人々”が幸福であるように・・』ではなくて、自分の目の前に居るのは一人ですから『‟あなた”が幸福であるように・・』といった一人用のフレーズになるわけですね・・二人以上でしたら『‟あなたがた”が幸福であるように・・』でイイわけです。。

例えば、自分があるお店で働いているとして、そこのお店のなかで買い物をした客がレジ係の自分にお金を払って帰ろうとするわけです・・まぁそこで、普段は事務的に無意識に『ありがとうございました・・』と言うのを、そこでしっかり意識しながら心を込めて・・声を出して『ありがとうございました・・」と、まず言うわけです。

そして、すぐ後に続けてその意識のスイッチを切らないで『あなたが幸福でありますように、苦しまないように、悩みませんように・・』といったフレーズを言うんですが、この時は黙念で言葉を口に出さないで店を出ていくそのヒトの背に向けて、このフレーズを心のなかで言うわけです。

場面が変わって、今度は自分が客としてお店に行く場合いでは、買い物をしてレジに向かう・・ここで、すでに意識のスイッチを入れておいて、お金を払う・・おつりをもらう・・そして帰り際にレジ係のヒトに対して・・意識的に『あなたが幸せでありますように・・』あるいは『あなたを愛してます・・』といったように・・自分のフレーズを心のなかで(心を込めて)言ってから店を出るわけですね。

また別の場面で云うと、会社で自分がディスクに座っていて同僚でも上司でも、誰かが仕事で使う書類を持ってきたとしますね。そこで、いつもは『ごうろうさまです・・』と事務的に言うわけなんですが、そうではなくて、この時もしっかりこのフレーズを意識して声を出して『ごくろうさまです・・』と、まず言うわけです。

そして、その意識のまま・・その場を去っていくそのヒトの後ろ姿に向かって例のフレーズ『あなたが幸福でありますように・・~・・』を今度は黙念で投げかける・・意識的に心のなかで言うわけですね。

いくつかの例を出しましたが、こういったようなヒトと接する場面は日常でも仕事中でもよくあるわけでしょ・・まぁ慣れないうちは、まず最初は朝早くゴミを出すときにでもやってみたらどうでしょうかね。いつものように、ゴミ袋をさげた隣人に出会って、そこで意識のスイッチを入れ『おはようございます・・』と挨拶して・・そのまま意識を続けて『あなたが幸せでありますように・・』と心のなかで言ってみる・・。

少し慣れてきたら、何かの間違いをして『申し訳ありませんでした・・』と謝った後にでも、落ち着いて『あなたが幸福でありますように・・』と声を出さずに言えるようにもなります・・こんなアンバイで、色んな場面で気楽な気持ちでやってみるんですね。けっこう楽しくて気持ちのイイものですよ(笑)。

日常の色んな場面で、こういったような「慈悲・愛のフレーズ」を出会うヒト、見知らぬ人たちに向かって・・意識的に黙念でもって振り向けるわけです。

まぁ、日常のなかでは色々と忙しくて夫々の事情もありますから、色んな場面で、自分の出来る範囲のなかでイイですからね・・こういったように少しずつでも意識的に慈悲・愛のエネルギーをその時に出会ったヒトに対して出していく。「慈悲・愛のフレーズ」を使って、相手の耳には聞こえないように、自分の心の声を出していくようにするんですね。

慣れてくると、インターフォンで迷惑な押し売りを断わった後でも、おまわりさんに交通違反の切符を切られた後でも『あなたが幸せでありますように・・』と黙念するようにもなるし(笑)・・誰に対してにでもどんな時にでも『あなたが幸福でありますように・・~・・』といったフレーズが自然に、無言の声として口から出てくるようになります。

まぁこうなってくると、意識の筋肉も付いてきて、けっこう慈悲・愛のエネルギーが心に貯まってきている証拠なんですね・・それが自然に自分のなかから外の世界にあふれ出てくるようになると、段々と「善いクセ」が付いてきているということにもなるわけです。

ためしに、どのていど意識と慈悲・愛のエネルギーの結びつきが強化されているのか、いつか満員電車に乗って誰かに足を思い切り踏まれた時にでも、この隨念をやってみてください(笑)。

・・踏まれた足が痛かったら、まず痛みをありのままに『痛み・・』と意識が受け入れた後で、引き続きその意識を切らさず・・『あなたが幸せでありますように・・』あるいは『あなたを愛しています・・』と黙念ですね・・

しかし、上手く行ったとか慣れたからと言って、雑に事務的にこの黙念をやらないことが大切なんですね。その都度、「よく意識して、慈悲・愛の心を込めて・・」がこの隨念の実践の一番のポイントになるわけです。それと、身内や親しい人に対しての‟執着・エゴ”が強く出てくる可能性がある向きは、これはあえて行わない・・他人・見知らぬ人たちだけに行う・・ということですね。

そういったわけで、意識的にスイッチを入れて慈悲・愛のエネルギーを使うたびに善い‟クセ”がついてくる・・意識と慈悲・愛の結びつきが強化されて、今度は意識無しでも自然と慈悲・愛のエネルギーがうまく‟客観的”スイッチを押してくれるようになります。

そして、喜び・元気・幸福感をたくさん味わえるといった副産物もいただけると思いますので・・日常でこの「慈悲・愛の隨念」を使って、意識と慈悲・愛のエネルギーのコラボを多いに楽しんでいただきたいと思います。

ここで一句

遠き背に 思い届けよ 春の風