・・『般若心経』の冒頭の部分に「・・行深般若波羅蜜多時(はんにゃはらみた)、照見五蘊皆空(ごうんかいくう)、度一切苦厄、舎利子・・」といった一節があるんですね。
この場面で、仏陀が弟子のシャーリプトラに語る内容というのは「我々が本来持っている知性・才能を使う事によって科学の黄金文明に至ることができる・・そのような素晴らしい智恵が出てくるように、エロヒムによって人間の遺伝子・DNAにプログラミングされているんですよ・・」といったことなんですね。
上文の五蘊皆空の‟空・くう”の意味というのは、これも何度もご案内のように、「無限の時空の中での知的生命体による生命創造は、遺伝子・DNAにを基に行われている」ということでしたね。そして、ここでのポイントは生命の設計図つまり、心と体の働き・機能はすべてこの遺伝子・DNAにプログラミングされているということです。
それを踏まえて、まず般若波羅蜜多(はんにゃはらみた)というのは「悟りに至る智慧」と訳されているんですが、エロヒムが教える本当の「悟りの境地」というのは、ご案内のようにエロヒムの不死の惑星がモデルとなっている「科学の黄金文明」のことでした。
要するに、般若波羅蜜多=悟りに至る智慧というのは、「科学の黄金文明に至るための智恵」ということになるわけで・・その智恵とは‟空・くう”における五蘊(ごうん)のなかにあると、そして「五蘊はすべて皆、空のなかに在り・・」とここで仏陀は言うわけです。。
そこで、空・無限の時空においては、そこに住む知的生命体が遺伝子・DNAをもとに生命を創造しているという「空・無限の真実」をすでにエロヒムから教えてもらっている仏陀は、その科学の黄金文明に至る智恵とは何なのかを、そしてその智恵が出て来る‟元々の居場所”を知らない弟子に対して、この場面では五蘊にスポットを当てて、「五蘊皆空・ごうんかいくう」といったフレーズで説明しているんですね。
この五蘊・ごうん(原語:panca-skanbha)というのは、色・受・想・行・識といった「五つの枝を出している‟塊・かたまり”」という意味なんでね・・これを大雑把に言うと、日常で誰でも身体を動かしたり、考えたり感じたり、想像したり意識したりしているわけでして・・五つの枝というのは、そういったような生きている人間の当たり前の働き、つまり心と体のすべての機能のことをいうわけです。
そこで仏陀は、心と体の機能は枝のように分かれて別々に機能をしているように見えていても、実はその五つの枝を出しているモノには元々のベースになっている‟塊・かたまり”があって、その‟塊・かたまり”の中に人間の体や心の機能、そして知的能力や科学的な才能といった智恵を発揮させる機能のすべてがプログラミングされているんですよ・・
そして、その智恵を使うことによって、あらゆる‟苦”から人間を解放してくれる悟りの境地、つまりエロヒムの不死の惑星のような楽園を創ることができるんですよ・・と、まぁ科学知識のない弟子にでも解るように、心と体の設計図である遺伝子・DNAのシステムを教えているといったわけなんですね。
そして何度も言うように、「悟りの智慧」の本当の意味は「科学の黄金文明に至るための智恵」つまり、「人間の科学的な才能」のことをいうわけなんですが、この偉大なる‟智恵”のことを原語で‟プラジュニャー”というんですね。これはもちろん、仏陀は生前に使っていた言葉として今に伝えられています。
このプラジュニャーという言葉は、仏教界では「人間が本来持っている心の本質は素晴らしい」という意味合いで、心性本清浄と訳されているんですね。ですから、‟心の本質”・心性というニュアンスからみれば、まぁ確かに遺伝子・DNAの機能を連想させてはくれますよね。
そして仏陀の死後しばらくして、そのプラジュニャーにスポットが当てられた一遍の哲学詩が作られ、この摩訶不思議な詩文は紆余曲折がありながらも、他の仏典に紛れ込んで中国に渡ることになる。
そこで「悟りの智慧」の、この‟悟り”の本来の意味が隠された秘語・プラジュニャーは、中国語に訳す時この言葉に合った中国語が無いために、仕方なく智恵の意味を含む「般若・パンニャー」という単語に訳されて、般若波羅蜜多(悟りに至るための智慧)の経典として世に出る・・
そして現在に至り、『般若心経』の題名でもって有名になって、ありがたい経典として多くの人々に親しまれているといったアンバイで・・まぁ少しややこしいんですが、超手短かに言うとそういった複雑な経緯があるわけなんですね。
そこで、冒頭に戻って「・・行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄、舎利子・・」を、いま風(笑)に訳しますと『・・エロヒムによって、人間の遺伝子・DNAのなかに付与された智恵、つまり知的能力・科学的な才能を使うならば、人間をあらゆる”苦”から解放してくれる科学の黄金文明に至ることができる・・』となるわけです。
・・思い返すと、1955年にJ・ワトソンとF・クリックという若い科学者が、人間の細胞の中に遺伝子・DNAという二重らせんの構造を持った、心と体のいわゆる生命の設計図・・遠い昔、仏陀が言った「五つの枝を出している‟塊・かたまり”」の正体を発見したわけなんですね。
その後20年くらい経って、1973年9月21日付で『サイエンス』にS・コーエンら三人の科学者によって、初めての遺伝子組み換えの技術が開発されたという発表がありました。
そして、同じ年のその日からおよそ三ヶ月後の12月13日、いよいよ時機到来といったわけで、エロヒムから不死の秘密と空・無限の真相が我々に明かされたというわけです・・あれから、50年・・。
1973年という年は人類にとっては、アムリタ・不死へと続く階段に一歩足を踏み込んだ年でもあり、遺伝子・DNAにとっては正に記念すべき年であったわけです・・。
遺伝子・DNAはあらゆる生き物の心と体の設計図であり、また生と死の謎を解く鍵であるのはご案内の通りなんですが、この二重らせんを少し角度を変えて見ると、メビウスの輪をいくつもつないだ形に見えるんですね。
この無限のシンボル∞を彷彿とさせる輪は、まるで死後の再生によって永遠に続く生と死のサイクルを暗示させるんですね。たとえば、一枚の細長い紙でメビウスの輪を作って、この輪の生をあらわす表面を指でなぞっていくわけです。
そうすると、あるとき裏面になる・・これをひとつの死にたとえると、再び生である表面に帰っていくわけですね。これを繰り返すことで、生と死が永遠に続いていく・・。
このようにしてみると、遺伝子・DNAの二重らせんの形そのものがまるで生と死の無限の繰り返しをイメージして創ったかのように思えるんですね。これはまさに、科学と芸術がコラボした不死を表わす究極のアートではないでしょうか。
1973年 の12月13日:エロヒムが我々に初めて不死の秘密と、無限・‟空・くう”の真実を教えてくれた記念日に寄せて・・。
ここで一句
遺伝子に 不死の秘密が 在ると知り